龍ヶ谷のヤマザクラ
龍ヶ谷のヤマザクラは、越生町の龍ヶ谷地区にある関東三大寺として名高い龍穏寺から林道を40分程登った所にあ分岐地点を更にヤマザクラ方面に20分ほど登った高地に野生している大桜で、幹周3.2メートル、樹高18メートル、枝張り東西13メートル、南北20.2メートルを誇ります。
国が調査した結果によると、ヤマザクラでは埼玉県内で3位、南関東(千葉県・埼玉県・東京都・神奈川県)では26位の太さで、かつては用材として伐採される運命でしたが、土地の所有者と製材業者の誠意と理解によって生きながらえ、現在は町指定天然記念物となっています。(見頃は4月上旬)
古刹龍穏寺と岸亦八の彫刻作品
龍穏寺は龍ヶ谷のヤマザクラ山の麓、越生町龍ヶ谷にある曹洞宗の寺院で、かつてこの山に住んでいた荒ぶる龍を、曹洞宗の僧が法力により穏やかにさせたという話が「龍穏寺」の由来になっています。
また、「龍ヶ谷」という地名も、この伝説を色濃く伝えております。
その歴史は古く、平安時代の西暦800年初頭、修験者達の寺として創建され信仰を集めました。
室町時代には足利将軍の命により、曹洞宗の寺院となり、武将「太田道真・道灌」の尽力によって中興されます。
江戸時代には徳川家康により「関三刹(関東三大寺)」の筆頭に任命されます。全国1万5千の寺院を統括し、十万石の格式を拝領しました。その格式より、いかなる大名でも参道の下馬門において馬や駕籠を降り、参拝しなければならなかったと言われています。
また、境内の建物を装飾する彫刻の数々は、稀代の名工岸亦八~4代の作品で、随所に精巧な彫技が振るわれている傑作として知られ、これらを一目見るだけでもこの寺を訪れる価値がある言えます。
境内は梅の花を始め、桜、シャガ、ツツジ、山吹、セッコク、紫陽花と季節の花々が彩ります。
龍ヶ谷のヤマザクラ登山と一緒に観光に訪れるのもおすすめです。
👉龍穏寺のHP
名山選定
越生10名山に選定されています。
登山コース
龍穏寺の駐車場(無料/40台)からスタートです。
龍穏寺の境内はシャガの群生が咲き誇っていました。(2024年4月20日撮影)
山門は歴史を感じる佇まいで壮観です。
山門に装飾されている彫刻の狛犬も迫力があります。
敷地内にある熊野神社の裏壁「天の岩戸」は、精巧で素晴らしい作品です。
龍隠寺を一通り周ったら、龍ヶ谷ヤマザクラに向かって登山開始です。
龍穏寺の横にあるトイレは、管理されており、中は意外と綺麗でした。
巨岩街道の案内がありました。
ここから面白い巨岩が並んでいましたので、岩好きの方にはかなり好評なコースだと思います。
さっそくライオンが地べたに座っているようなシルエットのシシ岩があります。
沢沿いの林道なので滝もあります。龍ヶ谷川という名だけあって、龍穏寺もそうですが、この地域一帯には龍の伝説が残っており、この川にも龍が住んでいたという言い伝えがあるそうです。
そして、この川の中には黒山三滝と繋がっている箇所があり、龍が往来してるという面白い伝説も残っているようです。
滝不動として不動明王像が鎮座していました。
2つの岩が並んでいる恋人岩は、近すぎず遠すぎず、初恋を思い出すような距離感が絶妙でした。
岩に当たる川の瀬の音が人が鳴いているように聞こえたことから、鳴岩と命名されたとのことです。
これもなかなか面白い逸話です。
ちゃんとゴリラの横顔に見えます!面白い!!
大槌はちょっとわからなかったです。
岩下と呼ばれる大きな岩は、その昔飯能市の吾野方面への往来の際に、雨宿りや時には野宿に利用されていたとのことです。ここで野宿するより、龍穏寺で野宿する方が良い気がしますが…
スタートして35分ほどで龍ヶ谷ヤマザクラの分岐に到着。山道に入ります。
結構な急登を登ります。
分岐から10分。龍ヶ谷ヤマザクラに到着です。
登ったのは2024年4月20日でしたが、既に殆どの花は散っていました。
一週間ほど前には満開だったようですが、さすがに遅かったか…
また次回咲いているときに来たいと思います。
山頂は少し狭いですが、ベンチが4個程設置されていますので、ゆっくり腰を掛けてのお花見には良いと思います。
林道に戻って更に登れば、埼玉県指定天然記念物である障子岩や同じ越生10名山の野末張見晴台も楽しめます。
標準コースタイムと難易度
越生10名山の登山記事はこちらです👇