棒ノ嶺の特徴
棒ノ嶺は飯能市の有間ダムの南側に位置する標高969mの山で、棒ノ折山、棒ノ嶺、棒ノ峰など複数の呼称があります。
昔は坊の尾根、坊主の尾根とも呼ばれていたこともあったそうですが、正式名称は下段の山名の由来にも記載している通り『棒ノ折山』が有力とされています。
故・武田久吉の山名考証によりましても、「棒ノ折山」または「棒折山」が由緒正しい表記であるらしく、「多摩郡村誌」や「武蔵通志」にもそのように記されているとのことです。
東京都側では棒ノ折山、埼玉県側では棒ノ嶺と呼ばれています。
※このサイトでは埼玉の山紹介のため棒ノ嶺を使っています
登山道は珍しいゴルジュ帯の沢登りを日帰りで楽しめるということで、埼玉の山の中でも屈指の人気を誇ります。また、山頂標識の隣には大きな桜の木があり、春の開花の時期には咲き誇る満開の桜を一目見ようと多くの登山客で賑わいます。
棒ノ嶺の登山記事はこちらです👇
棒ノ嶺の山頂
山頂には東屋や複数のベンチが設置されていて、公園のような広場になっており、のんびりと山の雰囲気を楽しむことができます。水場やトイレはありません。
山頂からは関東平野を見渡せる他、筑波山や赤城山、奥武蔵の山々など関東を取り巻く名山を見ることができます。
山名の由来
鎌倉時代の武将で源頼朝の重臣、畠山重忠(秩父〜深谷領)が山越えに使っていた杖が、この地で折れたことから棒ノ折山となったという説が最も有力です。
面白い逸話では、畠山重忠は「義経記」にも登場するほど勇猛でかなりのイケメン武将だったとかで、鎌倉に出向く際には棒ノ嶺の麓の鎌倉道を通るが、重忠を一目見ようと女性達が集まってくるため、鬱陶しく思った重忠は街道を避けて棒ノ嶺へ登ったところ、四方を見渡せる素晴らしい景色を見たことで身体中に力がみなぎり、思わず杖にしていた石の棒をへし折りました。折れた棒の片方はゴンジリ沢の祠に祀られたという伝説があります。
他にも山頂部が広いカヤトの原であることから坊主の尾根と呼ばれ、それが坊ノ尾根となり棒ノ折となったという説もあります。
ゴルジュ帯の白谷沢峡谷
この山で特に人気なのは切り立った岩壁に挟まれた峡谷をいうゴルジュ帯の沢登りです。
迫力のある巨岩に挟まれた沢伝いの道は、水と緑に囲まれた清涼感たっぷりの登山道となっています。
滑りやすい濡れた岩場越えや鎖場もあり、身体全体を使って登るアスレチックの要素が詰まった埼玉唯一の岩稜エリアは、この山の一番の人気スポットとなっています。
注)登山者の方の中には、ゴルジュ帯の渓谷を前に「この谷を登るはずがない」と誤解し、岩の裏を登って遭難してしまう事例が散発しております。沢登りが一般道に指定されておりますので、渓谷の中を進んでください。
岩茸石
岩茸石は、登山道の途中ちょうど白谷沢登山道と平尾根登山道の合流地点にある巨岩で、(自己責任で)登ることもできます。休憩スペースも隣接されており、人気のスポットとなっています。
ここから約40分で山頂に到着します。
棒ノ嶺の登山コース
バスではさわらびの湯前で下車し、有間ダムを経由して登山口へ向かいます。マイカーであれば有間ダム周辺の無料駐車場が数ヶ所あるので、そこへの駐車がおすすめですが、人気の山のため特に休日は早い時間に満車になってしまいます。満車時は、さわらびの湯前の無料駐車場(無料/30台)への駐車をおすすめします。
コースチェック
- 初心者向けの山と紹介しているサイトもありますが、標高差700mに加えて、ゴルジュ帯を越えた先から岩茸石手前までは急登が続くなど、準初級ランクという認識がしっくりきます。事前に初級ランクの山登りをいくつか経験してから登ることをおすすめします。
- ゴルジュ帯渓谷は滑りやすい岩が多くあります。また、前日が雨の日は増水して歩行難易度が上がりますので注意が必要です。スニーカーは自粛して登山靴での山行を心掛けてください。
- 登山者の方の中には、ゴルジュ帯の渓谷を前に「この谷を登るはずがない」と誤解し、岩の裏を登って遭難してしまう事例が散発しております。沢登りが一般道に指定されておりますので、渓谷の中を進んでください。
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