二子山登山活動記録
山行日 | 2024月8月10日(土) |
標高 | 1165.6m |
登山コース | 二子山登山口駐車場~股峠~東岳~西岳~ローソク岩分岐~股峠~二子山登山口駐車場 |
標準コースタイム | 3時間5分 |
コースタイム実績 | 2時間37分 |
距離 | 2.6km |
上り/下り(累計) | 429m/432m |
駐車場 | 二子山登山口駐車場(無料/7台) |
二子山の紹介記事はこちらです👇
山行記録
パリオリンピックのスポーツクライミングを観戦していたら、東京大会から引き続きプロクライマーの平山ユージさんが解説をされていたので、その平山さんがロッククライミングの聖地として開拓した小鹿野町にある二子山にでも行こうかと思い立ち、少し遅めですが今年一発目の夏登山に行ってきました。
二子山の登山は、県内でも屈指の難易度で知られ、毎年遭難や滑落での重大事故が発生しており、その難易度や険しい山容から『奥秩父のジャンダルム』『クレイジーマウンテン』とも呼ばれています。最近ではSNSでも取り上げられることも多く、少しずつ人気が高まっている山です。
私は高所恐怖症なので、穂高のジャンダルムには絶対行かないと決めてますが、オリンピックに影響されて、たまには岩登りもいいかなと思い、奥秩父のジャンダルムにやって来てしまいました。
スリリングな鎖場や切り立った岩場が続く稜線歩きが人気ですが、果たしてどれ程のものなのかとチャレンジしてきました。
AM5:20
二子山登山口駐車場に到着。
この時間で駐車場に停まっていた車は2台だけでした。まだ外が暗かったので車内で1時間程仮眠しました。
AM6:55
意外と綺麗だった簡易トイレで用を済ませて、準備完了で登山口に向かいます。
この時間には駐車場は満車で、ロッククライマーの方々も準備を始めていました。駐車場が満車でも路肩に何台も停められそうでしたので、駐車ができないといった心配はなさそうでした。
登山口は駐車場のすぐ近くです。
難易度の高い山ですし、近年は熊の出没がSNSでも話題になったこともあって、登山口の看板は物々しい雰囲気ではありますが、登山届のポストはありませんでした。
先ずは東岳と西岳の分岐地点、股峠に向かいます。
股峠までの登山道はよくある普通の歩き易い登山道でした。
この登山道に登山届の案内板が立っていました。
スマホのバーコードリーダーでQRコードを読んで、登山届を提出します。
AM7:10
駐車場から10分程で股峠に到着しました。
滑落注意に目が行きますが、この山特有の石灰岩に生息する希少植物の踏み付けにも注意が必要だそうです。珍しい植物も多いようです。
最近では武甲山のチチブイワザクラの長期間の未調査が話題になっていますが…
先に登る東岳方面へ向かいます。
登り始めてすぐに急登になって、石灰岩の山らしい白いゴツゴツした岩が出てきました。
立ちはだかるような岩壁が見えてきて、その岩に向かって山の左側から取りつきます。
少しずつ細くなる道を登って行くと…
早速、難易度の高いほぼ垂直の鎖場の登場です。
写真には写っていませんが(正確には狭い&怖いで、写真が撮れなかった)、この岩の下は足場のない絶壁で、落ちたら50mの垂直落下で一発アウトです。
手で鎖をしっかり持ちながら、慎重に左足を伸ばして岩に打ち付けられている金具に足を掛けます。
左足がしっかりと踏ん張れることを確認したら、右足を離して登って行きます。
言葉での表現が難しいですが、身体が空中に浮くような感覚になりますので、これから登られる方は気を付けて登ってください。
濡れていたらかなり滑ると思いますので、雨の日は無理に登らずに引き返すことを強くおすすめします。
先述の身体空中ポイントの鎖場を登ると、高度感を感じる景色が見えました。
少し気持ちを落ち着かせて先に進みます。
それでも片足の幅分しかない岩場が続きます。鎖を握って慎重に登ります。
更に鎖場は続いて、絶壁の岩登りです。
このロープが最早命綱なので、手でしっかり握りながら足場を確保して登って行きます。
先に結果だけお話しますと、今回の山行ではここの一連の岩場が一番怖かったです。
無事に登った後は、稜線に出るために先に進みますが、しばらくは「自分はあそこを降りれるのかな?」と不安な気持ちが頭の中から離れない位の難易度でした。
稜線を目指しますが、夏ということで草が伸びていて、狭い登山道ではどっちに進めばよいのか分かり難い所が多々あります。
実際、私も一回道間違えをしてしまい、登山道から外れた崖を進んでしまいました。直ぐに間違いに気付いて引き返しましたが、足元を見下ろすと断崖絶壁で、滑落の恐怖が頭の中を支配してかなり焦りました。
稜線に出ると東岳の山頂が見えてきました。意外と距離があります。
切り立った狭い岩場の稜線を進みます。
稜線は狭いですが、1人分が歩ける幅はあるので、そこまで危険な感じはしませんでした。
たまにこういう岩を乗り越えて行く所もあります。
他にも垂直に降りて迂回する所もありました。
道標がハッキリしていない所が多いので、都度、進行方向を確認しながらでスムーズに進まないのがストレスでした。
開けた所まで上がると、東岳の稜線からは空を突き刺すように聳え立つ大迫力の西岳が見えます。
その左手には我らが埼玉の日本百名山の両神山もめちゃくちゃ綺麗に見えました!
AM7:40
東岳山頂に到着!
しっかりした山頂標識が吊るされています。
登山開始から45分しか経っていませんが、序盤の急登と岩場と鎖場の緊張感、寝不足からくる身体のダルさで結構な疲労感でした。
山頂は10人程休めるスペースがあったので、のんびり休憩して体力の回復を図ってから股峠に戻る下山を開始しますが、依然としてさっきの鎖場は降りられるのかな?という不安もありました。
AM8:07
それでもめちゃくちゃ怖かった鎖場の下りは、「殆どの人は滑落してないから、自分も大丈夫なはず」と思い込むことで、以外とすんなり下りることができ、無事に股峠に戻って来ました。
一息ついてから西岳に向かいます。ただ、この時点で上級者コースを一人で登るのは無理と判断して、一般コースで登ることにしました。
急登を登って行きます。
AM8:15
ここで上級コースと一般コースに分かれます。
私は一般コースなので右へ登ります。
足場が悪くなってきます。
急登が続いて普通の登山道も疲れました。
AM8:30
稜線に出ると上級者コースとの合流地点に着きました。
ここから西岳の稜線歩きが始まります。
山頂手前はそれほど高度感は感じませんでしたが、慎重に岩場を乗り越えていきました。
高度を上げるにつれて展望が開けてきます。
左手に秩父のランドマークとして知られる城峯山と、右手の奥の三角が日本二百名山の武甲山が見えます。
群馬県側の展望も開けて、絶景感が出てきました!
時折吹き抜ける風が、火照った体を冷ましてくれてめちゃくちゃ気持ち良いです!!
AM8:35
二子山の最高地点となる西岳に登頂です!
しっかりとした山頂標識が迎えてくれます。そのバックには両神山が大手を広げて聳え立っています。
両神山の圧巻の佇まい。
群馬方面も綺麗な山並みを見渡せます。
ここからは稜線歩きで、この狭く切り立った稜線を向こう側まで歩きます。
両サイドが崖のため高度感いっぱいでスリリングですが、手がかり足がかりは豊富なため、東岳の鎖場に比べると難易度は低く感じました。
それでも時折強い風が吹いてバランスが崩れるときがありますので、注意が必要です。
しかし、稜線の岩に立つと凄い開放感です!目の前には遮る物がない絶景が広がり、奥秩父の山々を360°の大パノラマで楽しめます。
素晴らしい爽快感です。この景色がこの山の一番の魅力だと思います。
東岳同様に草木が生い茂っていて、道が見難い所もあります。
岩に貼られている小さいテープがを目印にして進みます。
来た道を振り返ると、先程まで自分が立っていた西岳の姿が。
シルエットがめちゃくちゃかっこいいです。
西岳稜線の先端まで来ました。武甲山のように石灰採掘で削られている叶山が見えます。
地理的に武甲山から二子山を挟んだ叶山までが、一本の線で続く石灰岩稜帯になっているとのことです。
AM9:00
坂本下降点と呼ばれる、稜線の終了ポイントに到着しました。
この群馬県の側の注意喚起手前にある7m程の岩壁が西岳で一番難しかったです。
足場が少なく、鎖も設置されていないので、両手でしっかりホールドを掴みながら下りました。
更に崖を下って行きます。この5m程の鎖場が最後の危険箇所でした。
ここも落ちたら重大事故に直結しますので、鎖をしっかり握って慎重に下ります。
岩場を下りれば岩根沿いの登山道で股峠に向かいます。
股峠の手前ではクライマーの方々が岩登りにチャレンジ中でした。
平山ユージさんが開拓したロッククライミングへの想いが愛好家の方々に受け継がれていました。
ここから股峠までは5分、無事に帰って来れた安堵感と共に駐車場へ戻りました。
登山後のご飯と秩父のお土産
登山後は小鹿野町にある穴子天丼が名物の「和らく」さんへ。
穴子を丸々一本使った巨大天ぷらが乗ってます!
この日は貸し切り営業でしたが、事前予約で貸し切りのお客さんが来る前の11:30に受け入れてもらいました。
客は私一人でしたが、ご主人と奥さんの優しい接客に会話も弾んで楽しくご飯を食べることができました。
天ぷらは見た目のインパクトだけではなく、衣はサクサクで穴子の白身もフワフワで美味しかったです。
タレの味付けも濃くなく、食べ易い味付けでしたが、さすがに穴子が大き過ぎて、最後はフードファイトで食べ切るのはちょっとキツかったです。
でも美味しかったです、ごちそうさまでした。
更に帰り道に小鹿野町にある美味しい豆腐屋さんと評判の「とうふ工房水むら」さんに寄って、お土産にお豆腐を買って帰りました。
黒板に手書きのメニューがかわいいです。
何品か試食もさせてもらえます。
今回は晩酌のお供にザル豆腐と寄せとうふを購入しました。
奥さんの接客も素敵でしたし、おからもサービスで貰えてラッキーでした。
早速帰宅して登山後の美味しいビールを堪能していたら、うっかり写真を撮る前にザル豆腐を食べてしまったので、画像は寄せ豆腐だけになります。
お豆腐は柔らかくて程良い弾力、大豆の甘味と水の美味しさのバランスが非常に良いです。口の中で溶けてなくなった後にも大豆の旨味が残ります。何も付けずにそのまま食べても美味しいですし、粗塩で食べるのも良かったです。
秩父方面のお土産&登山後のビールのお供に自信を持っておすすめできる逸品です。
まとめ
二子山は評判通りの難易度で、元々高所恐怖症の私としましては、鎖場での緊張感と恐怖感の連続や、その後の稜線歩きでの不安からくる胸が締め付けられるような息苦しさから、気持ち的に疲労度の濃い山行になりました。それでも一般コースであれば、ある程度高所の岩場経験がある方ならほぼ落ちることはないかなと思いました。
一方、稜線からの景色は最高で、目の前に広がる秩父の山々の大パノラマは、感動レベルの絶景でした!埼玉県内でもこれ程素晴らしい展望を見られる山は数えるほどだと思います。この山のスリル&好展望の魅力は、これからも人気になっていくのではないかと思います。私も西岳ならまた登りたいです。
下山後には、ずっと食べたかっためちゃくちゃデカイ穴子丼も食べられましたし、美味しいお豆腐も食べれましたし、小鹿野町の満喫ツアーにでも参加したような、めちゃくちゃ楽しい大満足の山行になりました。
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