
登山活動記録
| 山行日 | 2025年12月29日(月) |
| 標高 | 酉谷山:1718.3m, 七跳山:1651m,大平山:1603m,天目山:1576m |
| 登山コース | 日原鍾乳洞臨時駐車場~酉谷山~七跳山~大平山~天目山~日原鍾乳洞臨時駐車場 |
| 標準コースタイム | 13時間10分 |
| コースタイム実績 | 8時間42分 |
| 距離 | 24.0km |
| 上り/下り(累計) | 2008m/2006m |
| 駐車場 | 日原鍾乳洞臨時駐車場(協力金500円/15台) |
山行記録
2025年最後の山行は、埼玉百名山の酉谷山、七跳山、大平山、天目山の4座をターゲットに、奥多摩の日原鍾乳洞からウトウの頭があるタワ尾根を登り、長沢背稜とヨコスズ尾根をつなぐ周回コースを歩いてきました。
長沢背稜に取り付く登りとして選んだタワ尾根は、勾配率30%の急坂が5km続くタフなバリエーションルート。
長沢背稜の最深部にある酉谷山へ最短距離で登れますが、それでも一石山登山口から片道5時間半の標準コースタイムと、気軽に足を運べないルートです。
長沢背稜は奥多摩の最深部に位置し、東京都と埼玉県の県境を東西に走る奥深地の稜線で、主に芋木ノドッケから天目山付近までを指し、多摩川と荒川の分水嶺にもなっています。
標高の高い山々が連なる静かな山域で、長沢山の名前の由来にもなっており、山が深く、コースが長く、小屋も少ないことから、中級者以上向けのコースとして知られています。
日照時間の短い季節ということもあり緊張感のある山行でしたが、その中で素晴らしい富士山の絶景を見ることができました。
日原鍾乳洞~タワ尾根~長沢背稜

AM6:15
本格的な冬を迎えた年末の早朝。凍えるような寒さの中、日原鍾乳洞臨時駐車場に車を停めてから、すぐ上にある青梅警察署日原駐在所に登山届を提出してから出発しました。
駐在所は無人ですが、カギは開いているので、中に置いてある登山届に必要事項を記入して常設のポストに投函すればOKです。
準備を終えて、日原鍾乳洞方面へと歩き始めます。

日原川を渡って分岐を直進します。
左へ曲がる日原林道は、天祖山を経由して長沢山、または雲取山方面へと続いているようです。
天祖山も長沢山も東京百名山に選定されていまるということもあり、いつか登ってみたいです。

AM6:35
日原鍾乳洞の先にある一石山神社登山口から入山です。
急登のバリエーションルートですが、酉谷山まで最短距離で行けることと、標高を一気に1500mまで稼いで酉谷山に登れば、あとは天目山方面へは下るだけなので、気持ち的にも楽かなと思い、タワ尾根を登りのコースに選択しました。
全行程24kmのロングコースだけに、「歩き切れるか?」、「明るいうちに下山できるか?」といった一抹の不安を感じながら、人気の少ないであろうバリルートへ足を踏み入れました。

さっそく急登から始まります。
ピンテも殆どなく、踏み跡も薄くで、道は不明瞭。
それでも同じく埼玉百名山の両見山や猪狩山の急登を苦しんで登った経験から戸惑うことなく登って行けました。

たまにある木を紹介する白い板を目印に進みます。
人が来ない所に看板はないと考えて。

それでも序盤から怒涛の傾斜が続きます。
難しさはありませんが、ロープを使ってよじ登る箇所もあり、早々に太腿に疲労が蓄積。
体温も急上昇するとともに汗が噴き出してきました。

AM7:22
最初のピーク、一石山の山頂標識は額縁に収められた絵画の様で、キツツキが描かれた通好みの作品でした。
ところがこの先、実際に静寂の中でキツツキが木を突く音だけが響く山道を歩くことになりました。

急登が落ち着いたエリアでは、広大なブナの原生林が広がっていました。
紅葉の時期に歩くととても見応えがありそうです。

落ち葉で、踏み跡がわかりにくいところが多々ありましたが、尾根筋に進めば大丈夫でした。
山はすでに冬山に変わり、日陰は冷えて寒いため、なるべく太陽の光を浴びて進みます。

AM7:45
2つ目のピークとなる人形山に到着。
山頂標識がなかったため、周辺をウロウロ探しましたが、見つからず。
次のピーク金袋山に向かいます。

左手には鷹ノ巣山など石尾根の稜線が見えてきました。

AM8:00
金袋山に到着。
標識は山名の通り金を入れる袋の形に仕上がっていて素晴らしい!
ですが、経年とともに底が破けて、これだとお金が落ちてしまいますね…

AM8:17
篶坂ノ丸(すずさかのまる)の標識は字が薄くて読めず…
下山後に知ったのですが、もう一つフクロウが描かれた標識もあるようです。
もしかしたらすぐ横の木にあるかもです。

右手に長沢背稜の稜線が見えてきました。見えてるのは七跳山方面。
酉谷山はまだ見えてこず、このコースの長さを実感しながら歩きました。

ウトウの頭を目前に、再び急傾斜の険しい姿を見せてきました。
勾配率30%の急登が約5km続くタワ尾根の真骨頂です。

AM8:45
ウトウの頭に到着。
色合いの良い芸術的かつ個性的な標識✨
でもなぜ海鳥の名前なのでしょう…

こちらは彫刻バージョン。
可愛らしい目をした芸術的な作品です。

ウトウの頭からタワ尾根最後のピークとなる大京谷ノ峰へ向かうと、まさかの急激な下り…
想定外の厳しい登り返しをしなければならない現実に、疲労感も倍増して足が止まってしまい、こんな寂しい所で休憩とエネルギー補給に時間を費やしました。

ウトウの頭を過ぎると登山道はヤセ尾根に変わり、滑落危険個所も出てきて緊張感が増してきました。
ソロで歩いているだけに「ここで滑落したら…」と不安が頭をよぎり、ナーバスな心理状態で進みました。
この辺りが、今回のコースで唯一の難所でした。

その難所を慎重に越えると、作業用の?レールが現れました。
山頂標識以外で久しぶりに人工物を目にし、少しホッとします。
いっそのことモノレールが出てきて、この先のピークまで運び上げてほしいところですが、もちろんそんなものは無く、引き続き自力で標高を稼ぎます。
それでも、しばらくはこのレールが道案内のように続いてくれるので、レール沿って進んでいきます。

AM9:12
タワ尾根最後のピークとなる大京谷ノ峰。
標識はこれまでのハイカラな作品から一転、渋い…

長沢背稜の取り付きを目指して、タワ尾根の最後の登りを頑張っていると、左手に富士山がチラリと見えてテンション爆上がり!疲労もちょっぴり回復しました!!
やっぱり富士山のパワーって凄い!!
酉谷山からも綺麗な富士山が見られそうな気配を感じられて、ギアも一段上がっていきます。

AM9:27
レール終了地点。
結局なんのためのレールかはわからず…
途中、レールが登山道を狭くするので、右に左にと跨いで行ったり来たりしながらの歩行でしたが、心の拠り所になる非常に心強い人工物でした。

AM9:32
そして、無事に長沢背稜への取り付きに成功!
スタートしてからここまで約3時間15分。
長く続く急登を越えてきて、疲労感と達成感があるものの、まだ稜線に上がっただけ。
エネルギーも切れてきたので、酉谷山に備えて休憩し、カロリーを補給しました。
ここからはいよいよ、天目山まで続く長い長沢背稜へと踏み入っていきます。
長沢背稜~酉谷山

長沢背稜に入ると、しばらくは平行移動のトラバースでスイスイ進みました。
それでも油断は禁物。狭い登山道や、崩落箇所もあります。
この辺りで私が通った10秒後に30cm大の落石があってビックリ!
やはり山深い登山道を歩く時はヘルメット必須ですね。今回は装着していました。

奥秩父の最深部には雄大なブナ林が広がります。
ここも紅葉が凄そう…

AM9:55
酉谷山手前の稜線からは両神山とその右奥には浅間山が見えました。
絶景です!

左に甲武信ヶ岳。手前の稜線は霧藻ヶ峰~妙法ヶ岳の三峰の山々。
所々で開いた景色を見られるのがこのコースの救いで、奥秩父からしか見られない贅沢な景色です。

そして酉谷山直下、最後のビクトリーロードを登ります。

AM10:18
スタートからちょうど4時間、ついに奥秩父の秘境、酉谷山に登頂です!!
埼玉百名山のチャレンジを決めた時から、この山が難所のひとつと考えていましたし、実際に登ってみて、タワ尾根の急登も登り応えがあったので、今回の登頂は本当に達成感がありました!

酉谷山からは富士山がクッキリ!
思わず「ブラボーーーーーッ!!」って叫びました!!
この眺めでここまでの苦労が全て報われました!格別のご褒美ですね。

樹林に囲まれて展望は限定的ですが、奥多摩と奥秩父の最深部らしく静かで、奥秩父の名山らしいどっしりとした重厚感があります。

酉谷山からの景色。
富士山と雲取山(右端)の2重奏をゲットです!
雲取山からの富士山の眺めも最高でしたが、酉谷山からの富士山もまた格別!
コースタイムの関係でのんびり絶景を楽しむ時間はありませんでしたが、この素晴らしい景色をしっかりと目に焼き付けました!
樹林が少し邪魔なので、春から秋はの季節は葉っぱで富士山は見え難いかもです。
次のターゲット七跳山に向かいます。
長沢背稜 酉谷山〜七跳山〜大平山

AM10:35
七跳山へ向かう際に酉谷山避難小屋に立ち寄りました。

小屋は綺麗に整備されており、水や毛布などが置かれていました。
ただ、酉谷山避難小屋は数年前まではここでの宿泊を計画に入れての山行はOKでしたが、コロナ以降はあくまで緊急避難用で、宿泊目的での利用は禁止されています。ご注意ください。

酉谷山避難小屋前からの景色。
大岳山や丹沢方面がとても綺麗に見えました!

呼吸を整えて次のターゲット七跳山へ向かいます。

アドベンチャーな橋ゾーンは慎重に。

落ち葉ゾーンは滑落しないように注意して進みます。

よく整備された歩き易い道はとにかくダッシュしてコースタイム短縮を図ります。
なんたって、標準コースタイムは13時間。
目標タイムを9時間半としても6時過ぎスタートなので、明るいうちの15時台には下山したいと考えると、ここは頑張るゾーンと見てトレランモードで進みます。

我らが埼玉の秩父市街地を見下ろすことができるポイントもあり。
画像にはありませんが、武甲山なども見下ろせます。

AM11:12
酉谷山避難小屋から約35分で七跳山分岐に差し掛かりました。
あとはピークまでの登りを残すだけ。

AM11:18
そして七跳山に登頂!
七跳山の山頂は、YAMAPが示すピーク位置の隣の小高いピークにありました。
標識は、標記された文字の淵を辿って打痕がある珍しいタイプの標識。

これといった特徴はない山頂でしたので、大平山に向かいます。

少し進みと正面に大平山ドーンで、また登り返し…
しかも急な下りで、踏み跡もほとんどありませんでした。

七跳山を下りると、大平山手前にヘリポートのような、だだっ広い空き地に出ました。
しかも一昔前は車でも来ることができたようです。
登山者が極めて少ないエリアなので、自然に囲まれた山だと思っていたので驚きです。

狭い尾根を登っていきます。
ここもまた急登でした。

AM11:45
大平山に登頂!
スタートから14km、5時間45分の歩行で、一旦ここで疲労もピークを迎えました。
山頂標識は七跳山と同じタイプの文字周り打痕タイプでした。

大平山の名前の通り、のっぺりとした山頂。
そして一年を通じて極めて登山者が少ない、山奥の静けさを一人で満喫しました。

落葉した樹林の先には再度両神山が見えましたが、基本的には展望はありませんでした。
もしかしたら、この辺りも紅葉の時期にはよいかもです。
長沢背稜 大平山〜天目山

七跳山に戻る道。
ここの登り返しが今回の山行で一番キツかったです…

七跳山に戻ったら、引き続き長沢背稜を辿って最後のターゲット、天目山に向かいます。
途中、全幅の信頼を置けない雰囲気の橋がいくつか出てきたので、落ちないように慎重に進みました。

天目山に向かう途中、左手に先程登った大平山。
名前の通り大きくて平の形状をしています。

PM12:40
途中にあるピークの大栗山にも寄りました。
ピークを迎えるたびにアップダウンがあり、疲労が蓄積していきます。

AM12:48
天目山分岐に到着です。
いよいよ天目山が近づいてきました!

ここが最後の登り。
長沢背稜の終着点として、天目山までのビクトリーロードを登っていきます!

AM13:10
そして最終ターゲットの天目山に無事登頂!
最高の達成感!!
しかも想像以上の絶景が待っていました!

山頂からは絶景の大パノラマが広がり、右手には雲取山(左)と芋ノ木ドッケ(右)の三峰の稜線。
長沢背稜はあの芋ノ木ドッケからここ天目山まで続いています。

正面には富士山ドーン!少し霞んでますが、酉谷山に劣らず絶景です!!
埼玉県の山で富士山が綺麗に見える山ランキングがあれば、酉谷山も天目山も間違いなくベスト10には入ると思います。

大岳山方面、その奥に丹沢。

左手には蕎麦粒山と川苔山。
空気が霞んでなければ、その向こうの平野部も綺麗に見渡せそうです!

埼玉方面の飯能アルプスと、その奥には堂平山などの東秩父山域。
素晴らしい景色を楽しめて大満足。疲れも吹っ飛びました!
今回の山行で埼玉百名山は82座を制覇しました。
しばし充実感を噛みしめてから、下山を開始します。
ヨコスズ尾根 天目山~日原鍾乳洞

山頂から一杯水方面に進むと、まさかの険しい登り返し。
天目山山頂に立ったところで、あとは下りるだけと思っていましたが、天目山は東西にピークをもつ双耳峰であることを忘れていました。
もう一つのピークに登ってへロヘロ。一杯水だけにまんまと一杯食わされました。

AM13:30
一杯水避難小屋に到着です。外観は少し寂れていますが…

避難小屋の中は広く、綺麗に管理されてます。

天目山からは、奥多摩山域でも蕎麦粒山や川苔山も含めて、比較的登山者が多い山域ですので、登山道も広めで歩き易い道に変わっていきました。

ありがたくトレランモードを再開して、タイムを一気に短縮します。
やはり暗くなる前の15時半には下山したいところ。

AM13:58
ヨコスズ尾根の由来となる横篶山。
ここもダッシュで通り過ぎます。

足首から下が埋まるほどの落ち葉のモフモフゾーン。
滑って落ちないように気を付けて進みます。

AM14:18
ヨコスズ尾根名物「ふしぎな木」。天目山に登るほとんどの人が写真を撮ってくようです。

最後は杉林を抜けていきます。

AM14:45
スタートから8時間45分、距離は24km。無事に天目山登山口に下山しました!
明るいうちに戻れた安堵感とロングコースを歩き切った充実感でいっぱいです。
タイム的にもよいペースで歩くことができました!

日原鍾乳洞臨時駐車場のすぐ上にある東日原バス停にあるトイレは秀逸でした。
24時間使えてオールセンサー。便座も暖かかったです。

東京都とは思えない長閑な風景。日本の素敵な風景です。

日原鍾乳洞臨時駐車場に戻ってきました。
駐車場の写真を撮り忘れましたが、15台程駐車可能で、アスファルトで整備された良い駐車場でした。
長時間駐車させてもらいましたので、気持ちよく協力金500円を支払い、帰宅の途につきました。
まとめ
タワ尾根から長沢背稜、ヨコスズ尾根の周回登山は、埼玉百名山の4座を始め、たくさんのピークを踏破して盛りだくさんの山行でした。
タワ尾根は、難易度こそそれほど高くはありませんが、ルートが不明瞭な所が多く、滑落の危険があるヤセ尾根もありますので、登山経験の浅い方が安易に入山するのはおすすめできません。しっかりとした準備をした上でチャレンジしていただければと思います。
長沢背稜に入ってからは、よく整備された気持ちのよい登山道が続き、奥多摩・奥秩父山域の最深部の自然に囲まれて、味わい深い山道を存分に堪能できました。
久しぶりの長距離、しかも序盤から急登が続いたため、後半の登り返しで苦しい思いをしましたが、その分、酉谷山からの富士山と天目山からの素晴らしい絶景は本当に感動的でした!
酉谷山はもう登る機会はないかもですが、大パノラマを楽しめた天目山は、またあの景色を見に行きたいです。
今日で2025年は登り納め。埼玉百名山は82座登頂となり、全山制覇が見えてきました。
来年、残り18座を登ってコンプリートしたいと思います。
今年もご愛読ありがとうございました!また来年もよろしくお願いいたします。

