
都幾山

都幾山は、堂平山の東側、ときがわ町にある標高463mの山で、山頂は樹林に囲まれており眺望はありません。

この山の一番の見所は、中腹にある坂東三十三観音霊場九番札所として有名な慈光寺で、西暦673年に僧慈訓がこの山に登り、慈光老翁の委嘱を受けて千手観音堂を建立し、観音霊場として開基したとのことで、開山1300年の名刹で国宝となっております。

登山道の見所はこの冠岩で、「冠」の由来は、僧侶たちが修行の際に頭にかぶっていた冠帽から来ており、慈光寺の修行僧が秩父峰々を越えて遥か富士山頂までを跋扈(山を越え川を渡ること)する”回峰の行”を修練し、回峰の行を終えて帰坊するときに、この冠岩まで来ると法螺を吹き鳴らして帰山を告げました。
すると寺の衆僧はその音を聞いてここまで迎えに来て、そこで初めて冠を解き共に帰坊していったと伝えられます。
輪郭の上部がキザキザしたとてもカッコいい形をした岩です。
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名山選定
ときがわ10座に選定されています。
登山コース

ときがわトレッキングコース専用駐車場から坂東三十三観音霊場第九番札所として人気の慈光寺を経由して都幾山に登り、その先の金嶽まで行くコースを歩きます。
都幾山と金獄を周るコースで約3時間、その他堂平山まで足を延ばすハイカーもいます。

ときがわトレッキングコース専用駐車場から慈光寺方向に林道を進むと、桜がたくさん植林されており、綺麗な桜並木がありました。
桜の季節に歩くのも気持ちが良いと思います。

駐車場から20分程で迫力のある慈光寺の銅鐘が見えてきます。
大きさは高さ150cm、口径88cmで重さは709kgもある大きな鐘で、鎌倉時代の1245年、東国の名工「物部重光」が鋳造したとされ、埼玉県最古の物として国指定重要文化財にも登録されています。

坂東三十三観音霊場九番札所天台宗慈光寺です。
西暦673年に僧慈訓により観音霊場として開基したとのことで、開山1300年の名刹で国宝となっております。御朱印も貰えます。

観音堂入口にある名物心臓破りの急階段を登ってみるのもよいと思います。
わざわざ登らなくても慈光寺から観音堂に上がることもできます。

慈光寺の観音堂も歴史を感じさせる圧巻の佇まいです。
現在の観音堂は1803年に再建されたとされておりますが、老朽化のため、平成5年度から4年がかりで修復と周辺整備が行われたとのことで、都幾川村の指定文化財に登録されています。
都幾山への登山道は少し分かり難いですが、観音堂の左手の奥にあります。

登山道は踏み跡がしっかり残っていて、歩き易い道が続きます。

慈光寺観音堂から約15分で都幾山(463m)に到着です!
金属の板に打痕するタイプの珍しい標識です。

山頂は樹林に囲まれて、展望はありません。
そのまま通過して金嶽に向かいます。

金嶽に向かう途中にある冠岩です。
慈光寺の僧が富士山山頂まで修行に行って帰ってきた際にここで修行の冠を脱いでお迎えを待ったという伝説が残っています。

冠岩の隣には座禅岩もあります。
こちらは慈光寺の末寺として霊山院を建立した栄朝禅師が座禅を組んだ場所という伝説から名付けられています。

都幾山から約20分で金嶽の山頂に到着です!

もう一つの山頂標識と三角点。
こっちの標識は木の間伐をするときに木が倒れる方向を決める(倒す側をノコギリで斜めと垂直にえぐる)ときの受け口の端材が使われていました。
サスティナブルな標識ですね。

下山時に寄った霊山院の桜も綺麗でした。

霊山院の周辺にはシャガと諸葛菜がたくさん咲いていてとても綺麗でした。

こちらが諸葛菜。中国の三国志に登場する諸葛孔明が、陣を張る際に兵士たちの食料として栽培させたという伝説からきています。正式な学名はオオアラセイトウというらしいです。
慈光寺周辺を歩くトッレキングは桜の季節もおすすめですが、春の野花が綺麗に咲き誇る4月中旬~5月もおすすめの時期です。
標準コースタイムと難易度
3時間| 難易度★☆☆☆☆
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