五竜岳登山 遠見尾根コース 一泊二日テント泊

五竜岳山頂からの剱岳
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五竜岳登山活動記録

山行日2023月7月29日(土)~7月30(日)
標高2814m
登山コースアルプス平~遠見尾根~五竜岳~遠見尾根~アルプス平
標準コースタイム11時間40分(休憩なし)
コースタイム実績14時間11分(休憩含む)
距離15.2km
上り/下り(累計)1632m/1740m
グレーティング5C (長野県のグレーティング表を見る)
駐車場五竜エスカルプラザ駐車場

山行記録

いつもは埼玉の山行記事ですが、今回は北アルプス五竜岳のテント泊一泊二日の山行記録です。
夏は毎年登山仲間で集まって、ちょっと高い山に行こう!ってことになっているので、今年は北アルプスの五竜岳に総勢8名で登山に行ってきました。

この夏の企画も11年ほど続けていて、年に一回会える山仲間とたわいのない話をしながら山を歩いて、山頂からの景色と山小屋でのビールを楽しんでます。

1日目 五竜エスカルプラザ~遠見尾根~五竜山荘

エスカルプラザ

というわけで、コースは遠見尾根往復ですので、五竜エスカルプラザ駐車場から出発です。
唐松岳登山で使う八方尾根スキー場の駐車場と同じく、スキー場の駐車場なので、広くて満車の心配がないのがいいですね。しかも無料!といってもゴンドラ代で結構持っていかれますが…

道路の反対側が登山者用の駐車場として案内されてますが、特に気にせずゲレンデ側に駐車でも問題はないようです。

エスカルプラザでゴンドラ+展望リフトの往復チケットを購入(繁忙期3000円)し、ゴンドラ乗り場のとおみ駅に向かいます。
※1 エスカルプラザの開店時間は7:00です
※2 ゴンドラチケットはJAF会員など割り引きの特典がありますので、購入前にご確認ください

ゴンドラとおみ駅

8:15
とおみ駅でゴンドラに乗ってアルプス平駅へ、約8分で到着です。
登山届もとおみ駅で提出します。

展望リフト

アルプス平駅でゴンドラを降りたら、展望リフトに乗り換えます。超ラクチンです!
約10分の空中散歩は、左手にお花畑が迎えてくれてとても綺麗です。

リフト降り場

リフト降り場に到着です。向こう側には唐松岳の八方尾根が続いているはずですが、この日は残念ながらガスでハッキリは見えず。

ここで登山準備を整えて遠見尾根に向かいます。リフト下り場の標高は1600m程ですので、一日目の今日は2485mにある五竜山荘まで約900mの標高差をテントを担いで上がります。

地蔵の頭

9:00
リフト降り場のすぐ上にある地蔵の頭です。登山の無事を祈願して通り過ぎます。
ここから1時間20分ほどで登山口の小遠見です。(小遠見まではハイキングコースだそうです)

小遠見まで

小遠見に向かって進みます。まだハイキングコースなので、足元は整備されていて歩き易いですが、結構勾配あります。

中遠見

10:45
小遠見を過ぎて中遠見に到着。鹿島槍もガスっていて見えないのが残念。ガスがなければ、この辺から鹿島槍ヶ岳~八峰キレット~五竜岳が見えてきます。

武田菱
五竜岳の武田菱(写真中央)

雲の隙間から五竜岳の武田菱が見えました。雪があるとハッキリと浮き出て分かり易いのですが、夏はちょっと見づらいですね…写真中央が武田菱の真ん中です。

逆さ五竜

12:45
大遠見を越えて、西遠見手前付近では逆さ五竜も見えます。
池?水溜まり?の水が綺麗じゃなくてのが残念ですが、こういうスポットがあるのが嬉しい驚きです。

しかし、日差しがめちゃくちゃ強いです。北アルプスを歩いているとは思えない程の暑さで、日陰で休めるところも少なく、まだ身体は本格的な暑さに慣れていないので、体力的なキツさを感じ始めます。

西遠見尾根道

13:40
西遠見付近、標高は2300m辺りまで来て、ようやく稜線の鞍部に五竜山荘が見えてきました。
クライマックスの狭い尾根伝いの急登を登って行きます。

ここでたまたま何度も五竜岳に登っているハイカーの方とすれ違って、この辺りは狭い上に浮石もあり、滑落の危険が高いと教えてくれました。特に下りは勢いが付くからかなり危険だそうです。
こういった場数を踏んだ方のアドバイスは本当に助かります。

五竜岳の遠見尾根コースは登山道が狭くて、すれ違うのも怖い箇所が多くあります。慎重に歩を進めます。

※2023年9月10日 遠見尾根2330m付近で滑落事故が発生し、登山者が死亡しております。標高からの推測ですが、恐らくこの辺りではないかと思います。事故発生時の現場は天候不良だったとのこと。
これから五竜岳に登られる方(特に下山時)は、十分気を付けて下さい。(2023.9.17追記)

五竜岳8合目

山荘までもう少し。
山の色も空の色もがめちゃくちゃ綺麗です!
この山の美しさが北アルプスの醍醐味です!!

大遠見鎖場

最後の鎖場を越えていきます。
体力的に一番キツくなる7~8合目辺りにあるのが嫌らしくて、みるみる体力が削られていきます!テントが重くて辛くなってきます…(一番手前が私)

五竜岳山荘前

15:00
白岳しらだけを越えて、無事に五竜山荘に到着しました。
暑さのせいでまあまあの疲労感ですが、去年の笠ヶ岳一泊二日で笠新道をテント担いで登ったのがめちゃくちゃ辛かったので、それに比べると疲労度も薄く、しっかり登れました。

五竜岳をバックに記念撮影

ガスが一瞬抜けて、明日歩く山頂までの道筋が見えてきたところで五竜岳をバックにパチリ。
稜線のピークが五竜岳山頂です。

五竜山荘テント場

18:40
メンバーと一日目の無事と明日の成功を祈ってビールで乾杯、夕暮れまで宴会を楽しんだら明日に向けて早めの消灯のためにテントに戻ります。
私の故郷、富山県に夕日が沈んでいきます。

テント場は山荘(トイレ)が近い上の段から埋まっていました。私のテントは一番下の青いモンベルのステラリッジテント2です。
テント場は30張程の広さで1区画は狭くはなく、私の2人用テントでも余裕をもって設営できました。

テントでの宿泊料金は2000円/張+2000円/人ですので、一泊4000円(トイレ代込)でした。
水は別途100円/lです。
ビール代は500mlが1000円、350mlが800円と他の山荘と比較しても少し割高です。

山小屋の詳細はこちらからご確認ください👉五竜山荘HP
※五竜山荘は山小屋の中でもトップクラスの人気宿です。夏山繁忙期の土日の予約ですと5月頭のシーズン予約の開始数時間後には満室になりますので、早めの予約手続きをお勧めします。

2日目 五竜山荘~五竜岳~五竜エスカルプラザ

五竜岳の夜明け

4:20
二日目の朝を迎えました。
昨日の夜に立ち込めていたガスも綺麗に晴れて、美しい五竜の稜線が薄い闇に浮かんでいます。

天気は良さそうで、風もなく明らかに素晴らしい登山コンディションになりそうで、寝起きからテンションが上がります。

五竜山荘の朝

五竜山荘も朝を迎えます。

五竜岳日の出

5:05
日の出の時間ですが、五竜山荘からは隣の白岳しらだけがブラインドになって御来光を見ることができないので、御来光を見るためには五竜岳か白岳に登る必要があるようです。
この日も暗いうちから五竜山頂を目指して登って行く方々が多くいました。

私達一行も御来光を見たいという思いもありましたが、今回は五竜岳のモルゲンロートをゲットするのが目的なので、山荘で待ちます。

地平線から朱色に輝く光が届き始めたので、焼けろ焼けろと祈りつつ、太陽が昇ってくるのを待ちます。
すると…

五竜モルゲンロート

見事に焼けてくれました!五竜岳モルゲンロートです!!
山頂は思ってた以上に焼けて赤く、中腹には唐松岳方面の影が映って、雄大な山容がめちゃくちゃイイ感じです。

モルゲンロートをゲットしたら、今日のアタックの準備をしながら自挽きコーヒーを堪能します。
持参したコーヒーミル(コーヒーミル・Ⅱミニ)で豆を削ると、コーヒーの素晴らしい香りが立ち込めてきます。

山の澄んだ空気の中で、更に北アルプスの絶景を見ながら飲む自挽きコーヒーは格別です!
今回の豆はキリマンジャロ、一昨日に焙煎してきました。香りも深みも素晴らしいです。

五竜山荘の朝食

山小屋宿泊組が撮ってくれた五竜山荘の朝ご飯です。
ご飯とお味噌汁はおかわり自由で、味も美味しくて大満足だったそうです!

五竜岳登山道

5:50
山頂に向けて、二日目のアタック開始です。右上の一番高い所が山頂です。

白馬岳方面

6:10
稜線を少し登った所、一番奥の方に見えてきたのは白馬岳です!
天気は最高で、五竜岳山頂からどんな景色を見られるのか、既に興奮しながら登って行きます。

五竜岳ブルー

五竜岳ブルーも素晴らしいです!空が濃くて美しい青色です!!

裏立山連峰

6:50
山頂付近、裏立山連峰がドーンと目の前に現れました!左に雄山、右に剱岳です。
富山県出身の私にとって、立山連峰、特に剱岳は特別な山ですので、感動この上ない景色でした。

五竜岳山頂

7:00
北アルプス五竜岳2814m、無事登頂しました。山頂標識のバックには剱岳が見えます。
本当に気持ち良い山です。
眺望は360°の大パノラマで開放感が素晴らしいです!

五竜岳山頂からの白馬岳

右手の白馬岳方面はダイナミックな絶景!最高です!

鹿島槍と剱岳

左手に見える鹿島槍ヶ岳と剱岳、こちらも雄大な素晴らしい景色です。
山が全部カッコイイ!!
写真以外でも八ヶ岳や中央アルプスに南アルプス、富士山まで綺麗に見えました!

五竜岳山頂からの槍ヶ岳

遠くには槍ヶ岳も見えました!

登頂の喜び

仲間と記念撮影!
めちゃくちゃ楽しい!!

五竜岳山頂からの剱岳

もう一度、五竜岳&立山と剱岳の三重奏を見納めして下山開始。いつまでも見ていたい景色ですが、寂しいけど登山には帰る時間があるので、後ろ髪を引かれる思いで、下りに歩を進めます。

五龍山荘の昼前


無事五竜山荘まで戻ると山荘も綺麗に青空に包まれていました。
荷物を整理して再びの暑さに耐えながら遠見尾根を歩いてアルプス平に下山しました。

まとめ

天候は過去一と言ってもいい程に恵まれて、五竜岳山頂からの360°大絶景を楽しむことができました。しかもそれだけに留まらず、五竜岳モルゲンロートや五竜岳ブルーも見ることができて、大満足の登山になりました。テントを担いでの無事の登頂に達成感もひとしおです。

ただ、標高2200m以下は本当に北アルプスを歩いているのかと思うくらいに暑く、熱中症の危険を感じる程でした。
地球温暖化の影響か、これまでの暑さ対策や水の量、塩分の補給では手に負えないレベルになってきていることを実感し、今後はワンランク上の熱中症対策が必要であると感じました。

また、五竜岳山頂付近の岩稜地帯と西遠見尾根の鎖場は若干難易度もあり、慎重さが求められるものの、全体的にはそれほど難しくはないかなと思いました。
それでも登山道はほぼ全域で道幅が狭く、すれ違う際には滑落の危険を感じる箇所がいくつかありましたので、疲労時や天候不良の場合などは、特に注意して歩く必要があると感じました。今後もこの山で滑落事故が起きないことを祈ってます。

最後に毎年のことですが、何ヶ月も前からこの日のために登山計画して緻密に準備をしますが、天気だけは自分の力ではどうしようもない中、今回は快晴に恵まれて、メンバー全員が無事に登頂して絶景を堪能し、下山できたことに大きな喜びを感じています。山小屋でのビールは最高でした!