蓑山の特徴
蓑山は秩父市と皆野町の境界にある大きく盛り上がった形をした独立峰で、県立「美の山公園」として大規模に整備された山頂付近は桜8000本の他、ヤマツツジ3500本、アジサイ4500本などが植樹されており、4月~6月には咲き誇る花々や新緑が美しく山を彩ります。
マイカーで山頂まで登れるため観光客が多いものの、歩けば静かで季節感豊かな山の表情を味わうことができます。
山名の由来
山名の由来はいくつかの説があり、知々夫国造として赴任した知々夫彦命が、長雨によって荒れ果てた秩父盆地を立て直そうとこの山に登り、雨が止むよう祈願し、着ていた蓑を傍らの松の木に掛けたことから蓑山と呼ぶようになったと言われています。
一方で秩父盆地にやってきたダイタラボッチという大男が蓑を置いたところが蓑山、カマドを築いた場所が宝登山、釜を置いた所が釜伏山になったとの伝説も残っています。
また、日本武尊が東征のおり、この場所で休憩した際に、蓑を置いた所との伝説もあります。
いずれにしろ蓑山は雨乞の山であったと考えられ、雨具である蓑を奉納したことから「蓑山」の山名となったと考えられます。
蓑山の山頂
蓑山の山頂には展望台が複数設置されており、秩父市街の大展望を見渡せる外、埼玉でも屈指の武甲山鑑賞スポットとなっています。
秩父市街の向こうにそびえる秩父山脈を眺めれば、両神山を始め、雲取山、甲武信ヶ岳といった埼玉の日本百名山を見渡せます。
桜の名所
山頂の美の山公園は、ツツジやアジサイなど花の名所として人気ですが、特に桜が有名で、埼玉県百周年記念として植えられた約8000本の桜が咲き誇る山の美しさは「関東の吉野山」と称されるほどです。
県内有数のお花見スポットして人気があり、ソメイヨシノやヤマザクラなど各品種ごとの開花を楽しむことができます。
山の北側と南側から山頂まで車道が開通していることもあり、桜の開花シーズンには多くの観光客が訪れます。
蓑山の登山コース
親鼻構内の踏切を渡り、国道を横断して左前方の萬福寺へ。境内手前から左に戻るような舗装路に入って右へ進み、稲荷神社の鳥居をくぐって登山道に入ります。
急登を登った先に富士嶽大神が祀られているピークが仙元山で、このコースの名前の由来となっています。
他にも皆野駅からの表参道コース、和銅黒谷駅からの黒谷コースもあるため、ピストンだけでなく縦走も楽しむことができます。